音楽チャンプ 音楽チャンプの審査員コメントから歌がうまくなる方法を探る

カラオケが好きで週に2,3回ヒトカラしているんですが、「歌って難しいなぁ」って日々痛感しています。

番組ではプロの方でもボロクソに酷評されたりするぐらいなので素人の私が下手クソなのは当たり前なんですが、歌唱力を少しでも上げるために、他者の歌唱に対するプロ審査員のコメントを参考にして少しでも学んでいきたいと思います。

なお、審査員コメントの引用は簡潔にするために勝手に要約しています。

歌唱力アップのヒント

1.歌詞を理解する

曲:『GLAMOROUS SKY』(NANA starring MIKA NAKASHIMA)
歌唱:さくらまや
審査員:菅井秀憲

この曲であなたは何を言いたいのですか?歌詞の内容っておわかりになってるの? → いいえ。だから人の真似してる様にしか聞こえないんだよ!あなたにとってどういうことなのかわからないから下手じゃないけど僕は何も感じない。

私はさくらまやさんのこの歌は凄く良かったと思いましたが、あまり伝わってこなかったのも事実です。「表現力」を高めるには歌詞をしっかりと理解することが大切。審査員に問われて恥をかかされないようにするためにもきちんと説明できるようにしておきたいところ。歌詞には強い想いが込められているので、それを想いながら歌うことは最低限意識したいと思います。役者と同じように台本を読み込んで自分なりに咀嚼して。

2.歌い尽くす

曲:『なんでもないや』(上白石萌音)
歌唱:石垣優
審査員:菅井秀憲

トランス状態に入れるぐらいまで練習すべし。すると違う世界が出てくるんじゃないか。

この言葉の意味は何となくわかった程度ですが、おかしくなるぐらいまで練習すれば何か見えてきそうな気はしました。

3.キラッとした声を使いこなす

曲:『なんでもないや』(上白石萌音)
歌唱:石垣優
審査員:坪倉唯子

その声を使いこなせていない。自分の一番キラッとした声を維持できていない。一番良い声をキープして歌いこなすということを理解すべし。

自分の最大の魅力は何なのかをしっかりと認識し、それをコントロールして使いこなすことを目指したいです。うまくコントロールできてないっす。

4.ビートが大事

曲:『六本木心中』(アン・ルイス)
歌唱:歌恋
審査員:坪倉唯子

ロックではビートが大事。ずっと遅れている。体のビートではなく声のビート。言葉が楽器よりも後で聞こえる。

演歌とは異なりロックではビートが大事ということ。私も乗り遅れがちなのでしっかりついていかないと・・。

5.言葉を振り回している

曲:『六本木心中』(アン・ルイス)
歌唱:歌恋
審査員:菅井秀憲

(腹式)発声の位置が浅い気がする。もう少し深くなればもっと豊かな表現力になると思う。あなたが強すぎて言葉を振り回している。言葉とリズムがシンクロナイズしていったほうが伝わるんじゃないか。

耳が痛いお言葉。声が出ないんでシンクロせずに言葉を振り回しているっていうのは実感しています。リズムに合わせて言葉がのっている時の気持ちいい感覚も。

6.自分の殻を破る

曲:『GLAMOROUS SKY』(NANA starring MIKA NAKASHIMA)
歌唱:さくらまや
審査員:田中隼人

ちょっと演出感というか、作られた感じ。ただただ演歌の人がポップスを歌いましたっていう印象。もっともっと自分の殻を破っていき、そうなったさくらまやの歌が聴きたかった

優等生タイプ、紋切り型・ワンパターンタイプから脱却する。いつも同じ歌い方でつまらないと思われているかもしれないので、自分の世界から抜け出して違う世界に足を踏み入れてみる。私は中年男性なのですが、少女アニメの『アタックNo1』を歌った時、凄く恥ずかしい気分でしたが違う世界に足を踏み入れた感覚にはなりましたね。「だけど涙がでちゃう、女の子だもん」という台詞を言った時はきつかった(^_^;)。

優等生タイプの歌は聴いててつまらなかったりするので、自分の殻を破る必要もあるかもしれません。

7.人生経験を出す

曲:『六本木心中』(アン・ルイス)
歌唱:歌恋
審査員:田中隼人

歌ってる本人が気持ちよく歌ってるだけ。出産など多くの女性として経験・引き出しをたくさん持っているはずなのに歌に反映されていない。それが凄く武器になる。歌は心。

人にはいろいろと背負っているものバックグラウンドというものがあると思います。それが滲み出てくると歌に個性や味が出てくるのかなぁ思いました。

8.語尾

曲:『六本木心中』(アン・ルイス)
歌唱:歌恋
審査員:坪倉唯子

音は出すとこも切ることも大事。なかば出しっぱなしなのが気になった。

語尾を切るのが苦手というか、伸ばすのが好きなほうなんで気をつけなきゃ・・。

9.低音で声の成分が出ていない

曲:『First Love』(宇多田ヒカル)
歌唱:JASMINE
審査員:坪倉唯子

発生する準備が遅い。音程が取れているというジャッジメントにはならないんじゃないか。

番組ではこの後JASMINEさんがりょんりょん先生のボイストレーニングを受けていました。オタケビ(ゴリラのモノマネ)という発声法。発声についてはボイトレ教室に通おうかと思っています。

10.休符も音楽

曲:『First Love』(宇多田ヒカル)
歌唱:JASMINE
審査員:菅井秀憲

合間の休符さえ音楽に聞こえた。音が鳴ってる時だけが音楽じゃない。僕たち音楽家は常にそれを考えながら作っている。彼女にはそのセンスが抜群にある。

11.音域を広げる

曲:『なんでもないや』(上白石萌音)
歌唱:石垣優
審査員:田中隼人

声の高音域のスイートスポットみたいなのが少しの音域しかなくて、そこの間だけで曲を表現するのは難しいのではないか。

12.強弱のメリハリをつける

歌唱:清貴

がなり一辺倒になりがち。うるさい。声が前のほうにダダ漏れ。

クレッシェンド⇔デクレッシェンド。

13.強弱=感情ではない

曲:『あなたに逢いたくて』(松田聖子)
歌唱:清貴
審査員:大本京

強弱をつけたからといって感情が表現できると思ったら大間違い。感情はあなたの中から湧き上がってくるもの。

うちの母は孫にもう会えなくなってしまった時にこの歌をよく口ずさんでました。会えない辛さなどの人生経験がないと歌に反映するのは難しいかもしれませんね。歌詞の、すべてをかけて愛した男性にもう会えないという気持ちは相当強い想いがあるので未練がたっぷり。今でも愛してる、気持ちの整理はついたけど、あなたに会いたい!って感じの曲ですね。やっと笑えるのよ。この「やっと」の歌詞は重いっすね。

14.繊細な表現

曲:『あなたに逢いたくて』(松田聖子)
歌唱:清貴
審査員:菅井秀憲

強と弱をつけてますけど、0と1の間に0.25とか0.5とか色んな強弱がある。0と1ばかりなのでデジタル的に聞こえる。そこをアナログ的に隙間を埋めていくのがたぶん感情の起伏。こっちがドキドキしたりとか汗をかいたりとかするものだと思う。

感情はアナログ的というのはなるほどと思いました。そこは人間ならではの、その人ならではの表現方法を出せる部分ですね。人真似から脱却できる部分。

ここでドキドキさせられるのが人の心に響く歌。単に強弱をつけただけでは「デジタル的」。理解できます。声量だけではダメで繊細な感情表現がないと聴いててつまらないことが多いです。

15.表情

歌唱:JASMINE
コメント:りょんりょん先生

一番気になるのは表情。歌と声とピッチのことばかり考えてない?性格と今までの生き様が全部歌に出るんです。この人の歌を聴くのやめようかなってなるよね。人を防御するクセがあって・・。そう、その顔が出てるの。

私も初めのFirst Loveで口ずさみだした時の表情を見た瞬間ウゲッとなって聴きたくなくなりました。歌ってる最中の表情も苦しそうで・・。「心に問題がある」「自分をちゃんと愛せていない」「自信がない」と指摘されたそうですが、そういう性格や生き様がすべて歌に出るというのは恐いことですね。

16.感情のピークが感じられない

放送日:11-19
曲:『手をつなごう』(絢香)
歌唱:菜摘(20)
コメント:森公美子

大サビの所、そこに持っていくためのステップが上がりっぱなし。あなたが持っているPowerではなく歌のFourceみたいなのがグーッと高まって最後のサビに持ってくんだけど、それが全然同じに歌っていた。

曲のポイント。Aメロでは裏声を上手く使えるか、大サビでは感情のピーク(爆発力)を作れるか。

17.ブレスでの表現力

放送日:11-19
曲:『未来へ』(Kiroro)
歌唱:織田智朗(22)
コメント:菅井秀憲

「ほら」が一番気になる。「ほら」が「ほらん」に聞こえてしまうのはその前のブレスです。(いろいろな表現の仕方があるが)すべて1つ前のブレスで表現ができる。それがアーティストとしてとても大事。

曲のポイント。1サビ、2サビでは独創性(セリフのような歌詞)、A・Bメロでは説得力(しっとり丁寧に)。

18.細部の細部まで執着する

放送日:11-19
曲:『鱗』(秦基博)
歌唱:柏野昌俊(30)
コメント:菅井秀憲

信用金庫って1円玉が無くなってもみんなで探すじゃないですか。それと同じように1つ1つの音とかをもっと執着して取って欲しい。パワーはあるが、流れている。流れてこぼれ落ちる小銭さえもしっかり大事に拾って歌うのが「鱗」じゃないかと思うんですよ。1枚1枚の鱗のようにね。

曲のポイント。Aメロでは説得力(歌詞を丁寧に歌えるか)、サビでは高音の伸び(ロングトーンに伸びがあるか)。

19.伸ばした後に墜落する

放送日:11-19
曲:『鱗』(秦基博)
歌唱:柏野昌俊(30)
コメント:森公美子

伸ばした後の切れが墜落する。伸ばしたとこほどワァーっと上げるんですよ。身体が使い切れてないのでミュージカルにいらっしゃい。

20.詰まった声

放送日:11-19
曲:『奏』(スキマスイッチ)
歌唱:三木真里亜(15)
コメント:杉山勝彦

ハイトーンですごく声が詰まって聞こえる。長い時間歌うと喉にトラブルが起こりそう

曲のポイント。Aメロでは説得力(情感を込めて歌えるか)、大サビでは歌唱技術(高音をパワフルに歌えるか)。

女子高生や傷ついた女に響くような声で独特の良いものを持っているという評価も。

21.腹式発声だけじゃない発声法も使う

放送日:11-19
曲:『最後の雨』
歌唱:柿原穂乃佳(15)
コメント:菅井秀憲

お腹に力を入れるだけでは応援団になってしまうんです。ずっと最初から最後までそうなので母音が一緒に聞こえちゃう。圧倒されるんです。確かに圧力は感じるんです。ただ、高い声とか張り上げなくても出す方法があるんです。

曲のポイント。前半は説得力(情感を込めて歌えるか)、後半は高音の力強さ(歌詞をパワフルに表現できるか)。

ラストでのアクションがものすごく嘘っぽく見えたという指摘も。

22.伴奏との一体感

放送日:11-19
曲:『Let It Go』(Idina Menzel)
歌唱:fumika(27)
コメント:菅井秀憲

here I'll stayって所ありますよね。あそこってバッキング(伴奏)でチャン、チャン、チャンとやるんだけれど、バッキングに自分の圧力をぶつけているか?演奏を感じて同じようにメロディを入れているか?

曲のポイント。序盤は説得力(歌詞を丁寧に)、1サビはメリハリ(徐々に盛り上げる)、大サビは爆発力(パワフルな歌唱)。

放送日:11-26
曲:『innocent world』(Mr.Children)
歌唱:fumika(27)
コメント:菅井秀憲

縦ノリのリズムが感じられない。後でどんな音をドラムが叩いているのか。あなたはその上をスケーティングのように滑っていく。綺麗にまとめているがリアリティがない。そこに気持ちってものがないと。

23.ウィスパーボイスを活かす

放送日:12-03
曲:『この夜を止めてよ』(JUJU)
歌唱:美咲ミサ(高3)
コメント:田中隼人

一番良いところはウィスパーボイス。声の成分的に、もっと声の中の息を聴きたいと思った。(ただ声を張り上げるのではなく)もっと薄い声で息多めな声を出してくれたらもっと素直に聴いていられた。

24.歌詞を繋ぐ

放送日:01-28
曲:『もしもピアノが弾けたなら』(西田敏行)
歌唱:丸山純奈(高3)
コメント:森公美子

フレーズごとに切れてしまう。次につながっていくところが、一個切れて、一個切れて、というようになる。語りの部分の息の使い方。

フレーズごとに語尾が落ちてしまい歌詞が繋がってこなかった。語りかけるように歌う。

25.和音感

放送日:01-28
曲:『もしもピアノが弾けたなら』(西田敏行)
歌唱:丸山純奈(高3)
コメント:菅井秀憲

音楽ってリズムとメロディ、ハーモニーってものがあるんです。「だけど~」のところの後のハーモニー、ギュッと高まるような和音感にもう少し乗れれば人に伝わる。

26.魂のギリギリさ

放送日:01-28
曲:『ギブス』(椎名林檎)
歌唱:川村海月(18)
コメント:菅井秀憲

魂のギリギリさが必要。まだ余裕が見える。(深い音楽的哲学を感じさせるために)カート・コバーンのようなロックな感じ、反逆的・社会に馴染めないとか、そういうとこにまで行きつけていなかったのが勿体ない。

27.熱量が足りない

放送日:01-28
曲:『雪の華』(中島美嘉)
歌唱:鳥居れな(19)
コメント:菅井秀憲

雪の華は熱量が物凄く必要な歌。外国の歌で歌詞がわからなくても泣けてくることがある。それはなぜかというと、歌手は歌詞を物凄く表現したくて歌詞の内容を魂と繋げてそれを音楽にのせるから僕たちは涙流したりする。歌手はそこまで歌詞にこだわなければいけない。